DAY 2 — たきコーチより

昨日の配信に対して、たくさんの反響をいただきました! 本当にありがとうございます!

1年前の企画にご参加いただいた方々からもメッセージをいただきまして、大変嬉しく思っています! 正直なところ、久しぶりの配信でかなりブロックされるのではないかと覚悟しておりましたが、喜んでいただけているようでしたら、今後も有益な発信を続けていきたいなと思います!

さて、2日目の今日は「なぜスイングを直しても元に戻ってしまうのか」という、多くの方が感じているであろう壁について踏み込んでいきます。

「分かっているのに直らない」は、意志の弱さではありません

前回の記事では、上達の起点は「形」ではなく「結果を見ること」だとお伝えしました。

ここまで読んで、「言いたいことは分かる。でも、直そうとしても戻ってしまう」と感じた方もいると思います。

それは珍しいことではありません。むしろ、ゴルフ歴が長い方ほどこの壁にぶつかりやすいです。

なぜか。スイングの再現性を決めているのは、筋肉だけではなく、脳がどう情報を受け取っているかだからです。

スイングは、脳が毎回つくっている

私たちはつい、「この筋肉をこう使えばいい」「この形を覚えればいい」と考えがちです。

でも実際には、身体は脳の指令で動いています。

脳はスイングのたびに、次の流れで働いています。

  1. 今、身体とクラブがどうなっているかを推定する
  2. どう動けば狙ったインパクトになるかを予測する
  3. その予測をもとに筋肉へ指令を出す

最初の「今どうなっているか」の認識がズレていれば、その後の動きもズレやすくなります。

理論を知っていても、そこが不安定だと再現性は上がりません。

脳が頼っている3つの感覚

脳が身体とクラブの状態を判断するとき、主に使っているのは次の3つです。

01 視覚

ボールの位置、ターゲット、傾斜、周囲との距離感。いわば、外から合わせるための情報です。

02 前庭覚

内耳にある平衡感覚です。頭の傾きや回転、重力方向を感じ取り、スイング中の軸を支える内側のセンサーのようなものです。

03 固有受容覚

腕がどこにあるか、どれくらい力が入っているか、クラブが空間のどこにあるか。目で見なくても分かる身体の位置感覚です。

脳はこの3つをまとめて、「今の自分はこういう状態だ」と判断しています。

だから、どれかがズレるとスイングを直す以前に再現性そのものが落ちやすくなります。

少し難しい話になってしまいましたね(笑)

なんとなく理屈は分かったけど、「結局何をするとどう変わるの?」と感じている方が多いと思います。

そこで、1本の動画をご紹介します。

実際に「脳への入力」を整えると何が起きるか

日本でもトップクラスの指導力を持つ泉岡翔プロのチャンネル「イズオカ学園」様に、私が出演させていただいた回です。

この動画では、泉岡プロの身体に対してまず「事前チェック」を行い、バンザイ・前屈・上体反らしで可動域を確認しています。

そこから行ったのは、たった30秒のふくらはぎのストレッチだけです。それ以外のストレッチは一切していません。

これだけで、全身の可動域が最適化され、ゴルフスイングまでもが変わってしまいました。

結果:

バンザイで腕が耳の後ろまで到達。前屈では背中の丸みが取れ、手が床に届くように。上体反らしの可動域も大幅に改善。泉岡プロご本人も「胡散臭い」と笑いつつ、変化の大きさに驚かれていました。

※ 泉岡さん、雨宮くん大変ありがとうございました。

さらに動画の後半では、ハンドフィギュア8という手首の受容器を刺激するエクササイズを行っています。たった数十秒のエクササイズ後に実際にボールを打つと、左足の地面反力(スイング中に地面を踏み込む力)が104Nから124Nに向上し、フック回転が減ってストレートに近い球筋に変わりました。

地面反力は、飛距離やインパクトの安定性に直結する重要な指標です。これがたった数十秒の手のエクササイズで約20%向上したということは、神経伝達が改善されたことで筋肉の出力そのものが変わったことを意味しています。

スイングには一切触れていません。変えたのは、脳が受け取る入力の質だけです。

ちなみに私自身、かつてドライバーイップスに悩んでいた時期がありました。スイング理論をいくら見直しても解決できず、最終的にたどり着いたのがこの「脳への入力を整える」というアプローチです。動画の中でもその話をしています。

緊張すると崩れるのは、気合い不足ではない

「練習場では打てるのに、コースだと振れない」「大事なホールで急に手が動かなくなる」。こういう現象も、気持ちの問題だけではありません。

脳は「危険」や「不確実さ」を感じると、身体を守ろうとして防御モードに入ります。

防御モードに入ると、次のような反応が自動的に起こります。

心当たりがある方は多いのではないでしょうか。

重要な場面ほどミスが出るのは、メンタルが弱いからではなく、脳が身を守ろうとして防御モードに入っているからです。

この前提で考えた方が、対処はずっと現実的になります。

「頭を動かすな」が合わない人もいる

ゴルフでは、「頭を残しましょう」「頭を動かさないで」というアドバイスをよく聞きます。

もちろん役立つ場面もあります。ただ、これを強く意識しすぎると、首や肩まわりが固まりやすくなる人がいます。

そうすると、次のようなことが起きます。

本当に大事なのは、頭を完全に止めることではなく、動いても視線やバランスが安定していることです。

ここを取り違えると、良かれと思ってやっている意識が逆効果になることがあります。

脳の中の「身体地図」がズレていることもある

もう一つ大事なのが、ボディマッピングです。

これは、脳が持っている「自分の身体の地図」のことです。

たとえば「股関節から前傾してください」と言われても、脳の中で股関節の位置が曖昧だと、実際には腰から曲げてしまうことがあります。

すると、重心が乱れる、可動域を使いきれない、無駄な力みが出る。そういったことが起こります。

スイングそのものを直す前に、脳が身体をどう認識しているかを整えた方が早いケースは少なくありません。

自分でできる3つの簡易チェック

1. 視覚チェック

ペン先など小さな目標を目の前30cmほどに置いて、10秒見続けてみてください。視線が大きくぶれたり、すぐ疲れたりしないかを確認します。

2. バランスチェック

片脚立ちで20秒立てるか。次に、可能なら目を閉じて短時間だけ試してみる。大きくふらつく場合は、前庭覚や固有受容覚の統合に課題があるかもしれません。

3. 身体地図チェック

背中側で指先同士を合わせる動きをしてみてください。一度離してから、もう一度近い位置に合わせられるか。大きくズレる場合は、身体位置の認識精度に改善余地がある可能性があります。

身体を「骨格構造どおり」に使うということ

球筋を決める物理法則は、基本的に誰にでも共通です。

でも、人間の身体は一人ひとり違います。骨の長さ、関節の可動域、筋力のバランス、感覚の得意・不得意。すべてが異なります。

だからこそ大切なのは、あなた自身の骨格構造に合った動き方を見つけることです。

誰かの「正解」をそのままコピーしても、あなたの身体には合わないことがあります。股関節の形状が違えば最適な前傾角度も変わりますし、腕の長さが違えばグリップポジションも変わります。

視覚がボトルネックなのか、バランス感覚なのか、身体地図のズレなのか、防御モードが強いのか。その答えも人によって違います。

つまり、本当に上達を目指すなら、あなたの身体を個別に見て、あなた専用の処方を出すという工程が必要になります。

もちろん、知識だけでも改善できる部分はあります。今後AIを活用したスイング添削など、より多くの方に個別フィードバックを届ける仕組みも準備しています。

ただ、最も確実で最も早いのは、あなたの動きを専門家に見てもらい、評価して、処方を出すこと。病院と同じですね。

あなたの問題は、「スイング」そのものではなく「脳への入力の質」にあるかもしれません。
そしてそれは、あなたの身体を個別に見ることで初めて分かります。

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次回の記事では、実際に6ヶ月で何をしていくのかを具体的にお伝えします。

ここまで読んで「自分に必要かもしれない」と感じた方へ。
実はすでに、昨日までに審査を済ませた方が3名いらっしゃいます。

申し訳ありませんが、人数殺到が予想されるため、
今回は10名様限定の審査制とさせていただきます。
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AUTHOR
たきコーチ

元競技ゴルファー(ベスト67)。WGTF レベル3。機能神経科学(Z-Health)と独自の「クラブの動き」ベースの指導体系で、500人以上を指導。スイングの外側から変えるアプローチを提供。